観葉植物を飾りたいけど、室内に土を持ち込むのは抵抗があったり、コバエも気になりますよね。
そんな方にお勧めなのが、ハイドロカルチャーです。
土を使わずに清潔に植物を育てる水耕栽培、ハイドロカルチャーについて紹介します。
ハイドロカルチャーとは
ハイドロカルチャーとは土を使わずに人工的な土を使って植物を栽培する方法で、観葉植物の場合はハイドロボールやゼオライト、ジェルボールなどを使います。
土を使わず清潔なので、観葉植物にありがちなコバエや土がこぼれる心配もなく、食卓や寝室にも気軽に飾れます。
土で育てるのと比べて成長がゆっくりなので、コンパクトに観葉植物を楽しみたいにもお勧めです。
ハイドロカルチャーの種類
ハイドロカルチャーはハイドロボール、ゼオライト、ジェリーボールなどで作ることが出来ます。
ハイドロボール
根を支えるために使用される粘土を高温で焼いたもので、粒には細かい穴が無数に空いています。
通常、直径は1〜2センチほどで、軽量で丸い形状をしています。
ハイドロボールは水分を保持して空気を通すことができるため、根が十分に通気性のある環境で育つことができます。
また、ハイドロボールは再利用が可能で、洗浄後に再度使用することができるため、経済的で環境にも優しい素材としても注目されています。
ゼオライト
ゼオライトは、天然鉱物の一種で、アルミノケイ酸塩鉱物の一群に分類されます。この鉱物は、火山灰などが水に溶けて再結晶化したもので、微細な多孔質構造を持ちます。
ゼオライトを使用することによって水の浄化効果や保持効果、根の成長促進効果が期待でき、また再利用が可能なため経済的なメリットもあるため、ハイドロカルチャーにおいて広く使用されています。
ジェルボール
ジェルボールは、水を吸収し膨張する特性を持つ、ポリマー製のボールのことです。
ハイドロカルチャーではジェルボールを用いて根を支える役割や、水や肥料を保持する役割があります。
ジェルボールは再利用可能であり、またハイドロカルチャーのシステムの中で比較的コンパクトに使用できるため、室内での観葉植物の栽培に適しています。
ハイドロカルチャーのメリット
ハイドロカルチャーでは、土壌が不要であるため、病気や害虫のリスクが低下します。また、水栽培であるため、根腐れや過剰な水やりによる植物のダメージが少なくなります。
ハイドロカルチャーの育て方
ハイドロカルチャーは適度な光と水の管理が必要です。
ハイドロカルチャーの置き場所
ハイドロカルチャーの観葉植物の置き場所は基本的に普通の観葉植物と同じで、理想としてはレースのカーテン越しに陽ざしが入る窓辺です。
直射日光は苦手で、葉焼けを起こしてしまう種類もあります。また日に当たってハイドロカルチャーの中の水温が上がりすぎると根が傷む可能性もあります。
ハイドロカルチャーは小さいので、食卓や寝室で楽しんだ後はいつもの定位置に戻してあげると元気に育ちます。
ハイドロカルチャーの水管理
ハイドロカルチャーの水管理は「乾いてから与える」が基本。
水がなくなったら鉢の下部1/4~1/5程度の水を与えます。
観葉植物は乾燥に強い植物が多いので、少しぐらい水が切れても大丈夫です。逆に水を与えすぎて過湿状態になると根腐れを起こしてしまいます。
なので「乾いてから水を与える」を意識しておきましょう。
ハイドロカルチャーの肥料
ハイドロカルチャーで観葉植物を育てる場合の肥料は、水耕栽培専用の肥料を使います。
普通の肥料を適当に水に溶かして与えると根を痛めてしまうので、必ず専用のものを使ってください。
水耕栽培専用の肥料には液肥(液体肥料)やパウダータイプがありますが、パウダータイプは自分で水で薄める必要があるので、そのまま使える液肥が簡単でお勧めです。
ハイポネックスなどで水耕栽培専用液肥を売っているので、生育期には2週間に1回程度与えることが推奨されます。
秋から冬にかけては生育がストップするので、肥料は与えないでください。
ハイドロカルチャーに向く観葉植物
ハイドロカルチャーに適した植物として、以下のような観葉植物が挙げられます。
- パキラ
- フィカス
- エアプランツ
- モンステラ
- サンスベリア
- インドアバンブー
- シェフレラ
- ポトス
- ガジュマル
- テーブルヤシ
※多肉やサボテンはハイドロカルチャーには向きません※
ハイドロカルチャーのデメリット
ハイドロカルチャーのデメリットとして以下の点がよく指摘されます。
ハイドロカルチャーは大きく育たない?
ハイドロカルチャーの植物は成長が緩やかで、普通に土で育てるのと比べると大分遅いです。
なのでコンパクトに観葉植物を楽しみたい方にはぴったりですが、植物の成長を楽しみたい方には物足りなく感じるかも知れません。
大きく育てたい場合は、土への植え替えを検討しましょう。
ハイドロカルチャーは根腐れしやすい?
ハイドロカルチャーは植木鉢のように穴があいていない容器を使うため、水を貯めたままにしておくと根腐れを起こしやすくなります。
対策としては、完全に乾いてから水を与えるようにします。
ハイドロカルチャーに藻が発生したら?
ハイドロカルチャーは日光が当たると藻が発生する可能性があります。
藻が発生したとしても、ハイドロボールやジェリーボールは鉢から出して洗えるので手で優しく洗って鉢に戻せば藻を取り除くことが出来ます。
このとき洗剤などは使わず、水で洗うだけにしてください。